義務付けの訴えとは?申請型と非申請型の違いをわかりやすく解説

義務付けの訴えとは、行政庁に一定の処分や裁決をするよう、裁判所から命じてもらうための訴訟です。行政庁に直接処分を求めるのではなく、裁判所に対して、行政庁が処分・裁決をすべき旨の判決を求めます(行政事件訴訟法3条6項)。

この訴えには、法令に基づく申請または審査請求をした者が提起する申請型と、申請を前提としていない非申請型があります。

義務付けの訴えとは

行政庁に処分や裁決を命じてもらう訴訟

義務付けの訴えの対象は、行政庁による一定の処分または裁決です。行政庁がその処分や裁決をすべきであるにもかかわらず、これをしない場合に、処分や裁決をすべき旨を命ずることを求めます。

申請型と非申請型の分類

  • 申請型:法令に基づく申請や審査請求をしたのに、処分・裁決がされない、または拒否された場合
  • 非申請型:申請を前提とせず、行政庁が処分をしない場合

申請型の義務付けの訴えとは

申請型の基本的な要件

申請型は、法令に基づく申請または審査請求をした者が、行政庁の処分や裁決を求める訴えです。申請または審査請求をしていない者は、申請型の義務付けの訴えを提起できません。

不作為型と拒否型の違い

  • 不作為型:相当な期間が経過しても、申請や審査請求に対する処分・裁決がされない場合。この場合は、義務付けの訴えと不作為の違法確認の訴えを併合して提起します。
  • 拒否型:申請や審査請求を却下・棄却する処分・裁決がされた場合。その処分・裁決が取り消されるべきもの、または無効・不存在であることが必要です。この場合は、義務付けの訴えと取消訴訟または無効等確認の訴えを併合して提起します。

申請型で裁判所が義務付けを命じる条件

併合した不作為の違法確認の訴え、取消訴訟、または無効等確認の訴えに理由があることに加え、次のいずれかが必要です。

  • 根拠法令から、行政庁が処分・裁決をすべきことが明らかである
  • 行政庁が処分・裁決をしないことが、裁量権の範囲を超え、またはその濫用に当たる

非申請型の義務付けの訴えとは

非申請型の基本的な要件

非申請型は、申請型に当たらない場合に、行政庁が処分をしないときの訴えです。ただし、単に処分がされていないだけでは足りません。処分がされないことで重大な損害が生じるおそれがあり、その損害を避けるためにほかに適当な方法がないことが必要です。また、原告には、その処分を求める法律上の利益がなければなりません。

非申請型で裁判所が義務付けを命じる条件

根拠法令から行政庁が処分をすべきことが明らかであるか、処分をしないことが裁量権の範囲を超え、またはその濫用に当たることが必要です。

申請型と非申請型の違い

比較項目 申請型 非申請型
申請の有無 申請・審査請求が必要 申請を前提としない
主な場面 応答がない、または拒否された 行政庁が処分をしない
主な要件 不作為または取消し・無効等の対象となる拒否処分など 重大な損害のおそれ、他に適当な方法がないこと、法律上の利益
併合する訴え 不作為の違法確認、取消訴訟または無効等確認の訴え —

要するに、申請型は法令に基づく申請または審査請求をした者が、行政庁の処分・裁決を求める訴え、非申請型は法律上の利益を有する者が、行政庁の処分を求める訴えです。