当事者訴訟で準用される規定・準用されない規定を解説

当事者訴訟では、抗告訴訟に関する規定の一部が準用されます。ただし、抗告訴訟の規定がすべて適用されるわけではありません。

当事者訴訟とは

当事者訴訟とは、当事者間の法律関係を確認し、または形成する処分・裁決に関する訴訟などをいいます。行政事件訴訟法4条に定められており、形式的当事者訴訟と実質的当事者訴訟に分類されます。

形式的当事者訴訟と実質的当事者訴訟

形式的当事者訴訟は、法律関係の当事者の一方を被告とするよう法令で定められた訴訟です。当事者間の法律関係を争う形をとりますが、実質的には公権力の行使に関する争いです。

実質的当事者訴訟は、公法上の法律関係に関する訴訟です。公法上の法律関係について、確認を求める訴えなどが含まれます。

当事者訴訟については、行政事件訴訟法40条2項・41条により、一定の抗告訴訟の規定が準用されます。

当事者訴訟で準用される規定

主に、次の規定が準用されます。

  • 関連請求に係る訴訟の移送(13条)
  • 請求の併合(16条~19条)
  • 法令上の出訴期間がある場合に、被告を誤ったときの救済(15条)
  • 行政庁の訴訟参加(23条)
  • 釈明処分の特則(23条の2)
  • 職権証拠調べ(24条)
  • 判決の拘束力(33条1項)

当事者訴訟で準用されない主な規定

一方、次の規定は当事者訴訟には準用されません。

  • 原告適格(9条)
  • 被告適格等(11条)
  • 管轄(12条)
  • 出訴期間(14条)
  • 第三者の訴訟参加(22条)
  • 執行停止(25条~29条)
  • 裁量処分の取消し(30条)
  • 事情判決(31条)

まとめ:準用される規定とされない規定の違い

当事者訴訟では、行政事件訴訟法40条2項・41条により、抗告訴訟の一部の規定が準用されます。準用されるのは、訴訟の移送・併合、行政庁の参加、釈明処分、職権証拠調べ、判決の拘束力などです。

これに対し、原告適格、被告適格、管轄、出訴期間、執行停止、事情判決などは準用されません。