地方自治法の直接請求とは、地方公共団体の選挙権を有する者が、一定数以上の連署をもって、条例の制定・改廃や議会の解散、議員・長などの解職を求める制度です。住民が選んだ議会や長による代表制を補う仕組みといえます。
直接請求には、次の6種類があります。
| 種類 | 主な内容 | 必要な署名 |
|---|---|---|
| 条例の制定・改廃 | 条例を新設・変更・廃止する | 選挙権を有する者の50分の1以上 |
| 事務監査 | 地方公共団体の事務を監査する | 50分の1以上 |
| 議会の解散 | 議会を解散する | 原則3分の1以上 |
| 議員の解職 | 議員を職から失わせる | 原則3分の1以上 |
| 長の解職 | 長を職から失わせる | 原則3分の1以上 |
| 主要公務員の解職 | 一定の公務員を解職する | 原則3分の1以上 |
地方自治法の直接請求とは
直接請求ができるのは、対象となる普通地方公共団体の選挙権を有する者です。住所がある住民全員が対象になるわけではなく、外国人など選挙権を有しない者は含まれません。請求代表者を定め、必要な人数の連署を集めて請求します。
地方自治法の直接請求6種類
1.条例の制定・改廃請求
選挙権を有する者の50分の1以上の連署により、請求代表者が普通地方公共団体の長に請求します。ただし、地方税の賦課・徴収、分担金・使用料・手数料の徴収に関する条例は対象外です。長は要旨を公表し、受理から20日以内に議会を招集して付議します。議会は否決だけでなく、内容を修正して可決することもできます。
2.事務監査請求
選挙権を有する者の50分の1以上の連署により、監査委員に地方公共団体の事務の執行を監査するよう求めます。外部監査人に対する外部監査請求も可能です。監査委員は結果を請求代表者に送り、公表するとともに、議会・長・関係行政委員会に提出します。事務監査請求の結果などに不服があっても、住民訴訟は提起できません。
3.議会の解散請求
原則として3分の1以上の連署により、選挙管理委員会に請求します。選挙人の投票で過半数の同意があれば議会は解散します。一般選挙または解散請求に基づく投票の日から1年間は、再び解散請求をできません。
選挙権を有する者の総数が40万人を超える場合は、必要な署名数が緩和されます。総数が40万人を超え80万人以下の場合は、40万人の3分の1に40万人を超える数の6分の1を加えた数、80万人を超える場合は、これに80万人を超える数の8分の1を加えた数です。
4.議員の解職請求
議員の所属選挙区における選挙権を有する者の、原則3分の1以上の連署で請求します。選挙区がない場合は、選挙権を有する者全体の原則3分の1以上の連署が必要です。選挙管理委員会が選挙人の投票に付し、過半数の同意があれば議員は失職します。無投票当選以外の場合、当選して就職した日から1年間、および解職請求に基づく投票の日から1年間は請求できません。
5.長の解職請求
原則3分の1以上の連署により、選挙管理委員会に請求します。選挙人の投票で過半数の同意があると、長は失職します。無投票当選以外の場合、当選して就職した日から1年間、および解職請求に基づく投票の日から1年間は解職請求ができません。
6.主要公務員の解職請求
副知事、副市町村長、指定都市の総合区長、選挙管理委員、監査委員、公安委員会の委員が対象です。原則3分の1以上の連署で長に請求し、長が議会に付議します。議員の3分の2以上が出席し、その4分の3以上が同意した場合に失職します。請求できる期間は、原則として就職の日から1年間、および請求に基づく議決があった日から1年間です。ただし、選挙管理委員・監査委員・公安委員会の委員は、それぞれ6か月間です。
