地方自治体の規則とは?条例との違いや制定手続をわかりやすく解説

地方自治体には、議会が定める「条例」のほかに、知事や市町村長などが定める「規則」があります。どちらも行政運営に関するルールですが、制定する機関や定められる事項、違反した場合の制裁に違いがあります。

地方自治体の規則とは

規則は地方公共団体の長が定めるルール

規則とは、地方自治法15条1項に基づき、都道府県知事や市町村長などの地方公共団体の長が定めるルールです。法令に違反しない範囲で、長の権限に属する事務について制定できます。

条例のように議会の議決を経る必要はなく、長が制定する点が大きな特徴です。ただし、規則で定められるのは、あくまで長の権限に属する事務に関する事項です。また、法律上、規則で定めることとされている事項もあります。

条例の委任を受けて定められることもある

条例で基本的な事項を定めたうえで、具体的な手続や運用の細部を規則に委ねることもあります。

規則と条例の違い

項目 条例 規則
制定する機関 地方公共団体の議会 地方公共団体の長
対象 地方公共団体の事務 長の権限に属する事務
制定方法 原則として議会の議決 長が制定
法令との関係 法令に違反しない範囲 法令に違反しない範囲

条例は、自治事務だけでなく法定受託事務についても、法令に違反しない限り制定できます。また、住民に義務を課したり、権利を制限したりする場合は、法令に特別の定めがない限り条例が必要です。

条例と規則の対象が重なることもありますが、条例の委任を受けて制定される規則を除き、条例が優先されると解されています。規則が条例や法律に反する内容を定めることはできません。

違反時の制裁も異なる

条例には、法令に特別の定めがない限り、条例違反者に対して2年以下の拘禁刑、100万円以下の罰金、科料若しくは没収の刑又は5万円以下の過料を科する旨の規定を設けられます。一方、規則違反について定められるのは5万円以下の過料です。過料は刑罰ではなく、地方公共団体の長が直接科します。

地方自治体の規則が制定・施行されるまでの手続

長による制定

規則は、議会の議決を経ずに長が制定します。その内容が法令に違反していないこと、長の権限に属する事務に関するものであることが必要です。

公布と施行

制定された規則は公布されます。規則の公布に関し必要な事項は、条例で定めなければなりません。施行の日を特別に定めていない場合は、公布の日から10日を経過した日から施行されます。

条例も、原則として議会の議決を経て制定され、長が公布します。条例は議会の議決が必要なのに対し、規則は長が制定し、公布を経て施行される点が異なります。

まとめ

  • 規則とは、知事や市町村長などの長が定めるルールです。
  • 規則は、長の権限に属する事務について、法令に違反しない範囲で制定されます。
  • 条例は議会が制定し、規則は長が制定します。
  • 条例の委任を受けて制定される規則を除き、条例が優先されます。
  • 規則は公布され、特別な定めがなければ公布から10日を経過した日から施行されます。
  • 規則違反に対して定められる制裁は、5万円以下の過料です。