内閣は、行政権を行使するにあたり、国会に対して責任を負います。これは、日本が国民の代表である国会を基礎として内閣を成立・存続させる議院内閣制を採用しているためです。
内閣の責任とは?国会に対する連帯責任
内閣は行政権の行使について国会に責任を負う
日本国憲法66条3項は、内閣が行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負うと定めています。ここでいう責任は、政治責任と解されています。
連帯責任とは内閣全体で責任を負うこと
連帯責任とは、内閣として行政権を行使することについて、内閣全体が国会に対して責任を負うことを意味します。
ただし、総辞職が必要となる場合は、憲法で定められています。
内閣が総辞職しなければならない3つの場合
内閣総辞職とは、内閣総理大臣とすべての国務大臣が同時に辞職することです。憲法上、次の3つの場合には総辞職が必要です。
1. 内閣総理大臣が欠けたとき
内閣総理大臣が死亡した場合や、国会議員の資格を失った場合などには、内閣総理大臣が「欠けた」とされます。この場合、憲法70条により、内閣は総辞職しなければなりません。
2. 衆議院議員総選挙後、初めて国会が召集されたとき
衆議院議員総選挙の後、初めて国会が召集されたときも、内閣は総辞職しなければなりません(憲法70条)。その後、国会で新たな内閣総理大臣が指名されます。
3. 不信任決議後、10日以内に衆議院が解散されないとき
衆議院で内閣不信任決議案が可決された場合、または信任決議案が否決された場合、内閣には次のどちらかの対応が求められます。
- 10日以内に衆議院を解散する
- 衆議院を解散せず、内閣総辞職をする
10日以内に衆議院が解散されなければ、内閣は総辞職をしなければなりません(憲法69条)。不信任決議案の可決だけでなく、信任決議案の否決も対象となる点に注意が必要です。
総辞職後はどうなる?新内閣ができるまでの仕組み
総辞職後は、国会が議決によって新しい内閣総理大臣を指名します。その指名に基づき、天皇が内閣総理大臣を任命し、新しい内閣総理大臣が国務大臣を任命して新内閣が組織されます。
もっとも、総辞職によって行政を担当する内閣が直ちになくなるわけではありません。憲法71条により、新しい内閣総理大臣が任命されるまでは、前の内閣が引き続き職務を行います。
まとめ
- 内閣は、行政権の行使について国会に連帯して政治上の責任を負う。
- 連帯責任とは、内閣全体が国会に対して責任を負うことをいう。
- 内閣総理大臣が欠けたとき、衆議院議員総選挙後に初めて国会が召集されたとき、または衆議院で不信任決議案が可決されるか信任決議案が否決された後、10日以内に衆議院が解散されないときには、総辞職が必要となる。
- 総辞職後も、新しい内閣総理大臣が任命されるまでは前内閣が職務を続ける。
