不在者とは、住所または居所を離れ、すぐに帰る見込みがない者をいいます。不在者の財産管理制度は、本人が将来戻ってくることを前提として、本人の財産を管理するための仕組みです。
不在者が財産の管理人を置いていなければ、家庭裁判所は、利害関係人または検察官の請求により、財産の管理について必要な処分を命じることができます。ここでは、不在者の財産管理人の選任・改任や権限について解説します。
不在者の財産管理とは
不在者の意味
不在者とは、住所または居所を離れ、すぐに帰る見込みがない者です。
失踪宣告との違い
不在者の財産管理は、本人が帰ることを前提とした制度です。一方、失踪宣告は、不在者の生死が一定期間不明な場合に、利害関係人の請求によって家庭裁判所がする宣告です。
失踪宣告は、帰らないこと、つまり死亡したことを前提とします。そのため、本人が帰ることを前提として財産を管理する場合には、不在者の財産管理が問題になります。
不在者の財産管理人はどのように選任されるか
不在者が財産管理人を置いていない場合
不在者が財産の管理人を置いていないときは、利害関係人または検察官が家庭裁判所に請求できます。家庭裁判所は、財産の管理について必要な処分として、管理人の選任などを命じることができます。
すでに管理人がいる場合の改任
不在者が管理人を置いた場合でも、その不在者の生死が明らかでないときは、利害関係人または検察官の請求により、家庭裁判所が管理人を改任できます。
家庭裁判所が選任した管理人の財産目録作成
家庭裁判所が選任した管理人は、その管理すべき財産の目録を作成しなければなりません。
不在者の財産管理人の権限と家庭裁判所の許可
管理人ができる行為
管理人は、民法103条に規定する保存行為や、財産の性質を変えない範囲内での利用・改良行為をすることができます。
権限を超える行為には家庭裁判所の許可が必要
管理人は、民法103条に規定する権限を超える行為を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができます。
家庭裁判所が関与する場面
- 管理人がいない場合:財産の管理について必要な処分や管理人の選任
- 管理人がいても不在者の生死が明らかでない場合:管理人の改任
- 管理人が権限を超える行為を必要とする場合:家庭裁判所の許可
まとめ
不在者とは、住所または居所を離れ、すぐに帰る見込みがない者です。管理人がいなければ、利害関係人または検察官の請求により、家庭裁判所が財産の管理について必要な処分を命じることができます。
管理人が置かれていても、不在者の生死が明らかでない場合には、家庭裁判所による改任の対象となります。家庭裁判所が選任した管理人は財産目録を作成し、民法103条の権限を超える行為を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得る必要があります。
