供託とは、債権者が弁済を受け取らないなどの一定の場合に、債務者などが弁済の目的物を供託所に供託する制度です。供託所は法務局に設置されています。
法律上の要件を満たして供託すると、実際に債権者へ支払っていなくても、弁済したのと同様に扱われ、債務が消滅します。ただし、債権者が受け取らないというだけで、いつでも利用できるわけではありません。
供託できる3つのケース
1.債権者が弁済の受領を拒んだとき
弁済の提供をしたにもかかわらず、債権者がその受領を拒んだ場合です。弁済の提供は、原則として債務の本旨に従って現実にしなければなりません。
ただし、債権者があらかじめ受領を拒んでいる場合や、債務の履行について債権者の行為を必要とする場合は、弁済の準備をしたことを通知して受領を催告する口頭の提供で足ります。
2.債権者が弁済を受領できないとき
債権者が弁済を受領することができない場合です。
3.債権者を確知できないとき
誰に支払えばよいのか確認できない場合も、供託の対象になり得ます。ただし、債権者を確知できないことについて、弁済者に過失があるときは供託できません。
供託の方法と供託後の取扱い
供託は、債務の履行地にある供託所で行います。供託後は、遅滞なく債権者へ供託したことを通知しなければなりません。
供託するのは、原則として弁済の目的物そのものです。ただし、その物が供託に適さない場合、滅失・損傷などによって価格が下落するおそれがある場合、保存に過分の費用がかかる場合、その他その物を供託することが困難な事情がある場合は、裁判所の許可を得て競売し、その代金を供託できます。
債権者は、供託所から供託物の還付を受けられます。債務者が債権者の給付に対して弁済をすべき場合は、債権者側の給付をしなければ供託物を受け取れないことがあります。
一方、債権者が供託を受諾しておらず、供託を有効とする判決も確定していない間は、弁済者が供託物を取り戻せます。ただし、取り戻すと、供託はしなかったものと扱われます。また、供託によって債権者の質権や抵当権が消滅した場合は、取り戻せません。
まとめ
- 供託とは、弁済の目的物を供託所に供託し、債務を消滅させる制度です。
- 供託できる場合は、受領拒否、受領不能、債権者不確知の3つです。
- 債権者が受け取らない場合も、原則として債務の本旨に従った弁済を提供する必要があります。
- 供託場所や通知、供託物の還付・取戻しにはルールがあります。
