機関訴訟とは?国や公共団体の機関相互間の権限争いを解説

機関訴訟とは、国や公共団体の機関相互間で、権限の有無やその行使をめぐって争う訴訟です。行政事件訴訟法6条に定められています。

個人が行政処分の取消しを求める訴訟とは異なり、行政機関相互の権限関係や行政作用の適法性に関わる訴訟です。

機関訴訟とは

機関訴訟の対象は、「国又は公共団体の機関相互間」における、権限の存否またはその行使に関する紛争です。

例えば、地方自治法に規定する地方公共団体の議会の議決・選挙に関して、長や議会が提起する訴訟や、普通地方公共団体に対する国または都道府県の関与に関する訴訟があります。

個人の権利救済を目的とする訴訟との違い

取消訴訟などの抗告訴訟や当事者訴訟は、個人の権利利益の保護を目的とする主観訴訟です。一方、機関訴訟は、各種の行政作用の適法性を確保するための客観訴訟に分類されます。

そのため、機関訴訟は、個人の権利利益の保護を目的とした訴訟ではありません。

機関訴訟を提起できる場合

機関訴訟は、客観訴訟にあたり、「法律上の争訟」には該当しません。そのため、法律に特別の定めがある場合に限って提起できます。

また、法律に定められた者に限り提起することができます。例えば、地方自治法などの個別の法律に、機関訴訟を提起できる者や要件が定められています。

取消しを求める機関訴訟の注意点

機関訴訟のうち、処分や裁決の取消しを求めるものには、取消訴訟に関する規定が準用されます。ただし、原告適格や取消しの理由の制限に関する規定は準用されません。

まとめ

  • 機関訴訟とは、国や公共団体の機関相互間で、権限の有無やその行使を争う訴訟である
  • 個人の権利利益の保護ではなく、行政作用の適法性を確保するための客観訴訟である
  • 法律に特別の定めがある場合に限り、法律に定められた者が提起できる