地方議会の議案提出権とは?長・議員・委員会による提出のルールを解説

地方議会の議案を提出できるのは、普通地方公共団体の長、議員、委員会です。ただし、提出できる議案の範囲や必要な手続は、提出者によって異なります。

提出者 提出できる議案 主な条件
長 議会の議決を要する案件 新たに予算を伴う案件には制限がある
議員 予算を除く議会の議決すべき事件 議員定数の12分の1以上の賛成が必要
委員会 予算を除く議会の議決すべき事件のうち、その部門に属する地方公共団体の事務に関するもの 担当部門に関係する議案に限られる

長・議員・委員会が提出できる議案と要件

長による議案提出

長は、議会の議決を要する案件を提出できます。

もっとも、条例その他の議会の議決を要する案件が新たに予算を伴う場合には注意が必要です。地方自治法222条1項により、必要な予算上の措置を適確に講じられる見込みが得られるまで、議会に提出できません。

議員による議案提出

議員は、議会が議決すべき事件について、文書で議案を提出できます。ただし、予算は議員提出の対象外です。また、提出には議員定数の12分の1以上の議員の賛成が必要です。

基準となるのは、当日の出席議員数ではなく、条例で定められた議員定数です。

委員会による議案提出

委員会も、地方自治法109条6項に基づき議案を提出できます。ただし、予算は提出できず、提出できるのは議会の議決すべき事件のうち、その部門に属する地方公共団体の事務に関するものに限られます。

委員会提出権があるからといって、所管と関係のない分野の議案まで自由に提出できるわけではありません。

議案提出で押さえるべき共通ルール

  • 議案を提出できることと、議会で可決されることは別です。
  • 議員と委員会は、予算を提出できません。
  • 議員提出には、出席議員ではなく議員定数の12分の1以上の賛成が必要です。
  • 委員会提出は、その部門に属する地方公共団体の事務に関する議案に限られます。
  • 長の提出案件でも、新たに予算を伴う場合は、予算上の措置の見込みが必要です。

このように、地方議会の議案提出権は長・議員・委員会に認められていますが、提出者ごとに対象となる議案と手続上の条件が異なります。