未成年者が親などの同意を得ずに契約をしても、その契約が当然に無効になるわけではありません。原則として、未成年者本人または法定代理人が契約を取り消せます。ただし、同意がなくても取り消せない法律行為もあります。
未成年者の契約は原則として法定代理人の同意が必要
未成年者とは
民法上、未成年者とは18歳未満の人をいいます。未成年者が単独で契約などの法律行為をする場合、原則として法定代理人の同意が必要です。法律行為とは、契約など、法律上の権利や義務を発生させる行為を指します。
法定代理人とは
法定代理人は、法律上、未成年者を代理する権限を持つ人です。原則として親権者である父母が該当し、親権者がいない場合などには未成年後見人が法定代理人になります。
未成年者が同意を得て自分で契約する方法のほか、法定代理人が未成年者に代わって契約する方法もあります。
法定代理人の同意がない契約は取り消せる
同意が必要な契約を未成年者が同意なしで結んだ場合、契約は最初から無効になるのではありません。取り消されるまでは一応有効として扱われます。
取消しがされると、契約時にさかのぼって契約がなかったことになります。未成年者にとって有利な契約まで一律に無効にしないため、このような仕組みが採用されています。
取消しができるのは、未成年者本人と法定代理人です。未成年者本人が取り消す場合、法定代理人の同意は必要ありません。
具体例
16歳の未成年者が、法定代理人に無断で高額な楽器の購入契約を結んだとします。この契約は、同意が必要な法律行為に当たるため、直ちに無効ではありません。しかし、未成年者本人または法定代理人が取り消せます。取消し前は契約が一応有効で、取り消されると契約時にさかのぼって効力を失います。
法定代理人の同意がなくても取り消せない法律行為
次の行為は、未成年者に不利益を与えない、または一定の範囲で本人の判断を認めるものとして、法定代理人の同意が不要です。
- 単に権利を得る、または義務を免れる行為:負担のない贈与を受ける行為や、債務の免除を受ける行為などです。ただし、債務の弁済を受ける行為は、債権が消滅するため、これには含まれません。
- 目的を定めて処分を許された財産:学費や旅費として処分を許された財産を、その目的の範囲内で処分する場合です。
- 目的を定めずに処分を許された財産:お小遣いなど、目的を定めずに処分を許された財産を、未成年者が自由に処分する場合です。
- 許可された営業に関する行為:法定代理人から営業の許可を受けた未成年者は、その営業の範囲で成年者と同じように行為できます。その営業に堪えることができない事由があれば、法定代理人は許可を取り消したり、制限したりできます。
まとめ
未成年者は、原則として法定代理人の同意を得なければ、単独で有効に契約をすることができません。同意なしの契約は当然に無効ではなく、未成年者本人または法定代理人が取り消せます。ただし、単に権利を得る行為、許された財産の処分、許可された営業に関する行為などは、同意がなくても取り消せない場合があります。
