公序良俗とは?違反する法律行為の具体例と判例をわかりやすく解説

公序良俗とは?民法90条が定める法律行為の無効原因

公序良俗の意味

公序良俗とは、「公の秩序又は善良の風俗」を意味します。公序良俗に反する法律行為は、民法90条により無効とされます。

「法律行為が無効」とは

無効とは、法律行為の効力が初めから生じないことです。公序良俗に反する法律行為は、契約当事者だけでなく、当事者以外の第三者も無効を主張できます。また、時間が経過しても、無効を主張できなくなることはありません。

公序良俗違反にあたる法律行為の具体例

妾契約

配偶者のある男性との間の妾契約は、一夫一婦制に反する行為として、公序良俗に反し無効とされます。

男女別定年制

男子の定年年齢を60歳、女子の定年年齢を55歳とする会社の就業規則は、経営上の観点から男女別定年制を設けなければならない合理的理由が認められない場合、公序良俗に反して無効とされます(最判昭56・3・24)。

公序良俗違反が問題になった判例

有害物質を混入したアラレの取引(最判昭39・1・23)

アラレの製造販売業者が、有毒な硼砂を混入したアラレの販売が食品衛生法で禁止されていることを知りながら、製造・販売を続けていました。

このような取引は、一般大衆の購買ルートに乗せられ、公衆衛生を害するに至ることが明らかであるため、民法90条に抵触し無効とされました。

弁護士による債権譲渡(最決平21・8・12)

債権の管理又は回収の委託を受けた弁護士が、訴訟提起や保全命令の申立てをするために当該債権を譲り受ける行為について、仮に弁護士法28条に違反していても、直ちに私法上の効力が否定されるわけではないとされました。

ただし、他人間の法的紛争に介入し、司法機関を利用して不当な利益を追求することを目的として行われたなど、公序良俗に反する事情がある場合は別です。

公序良俗違反かどうかはいつ判断するのか

法律行為が公序に反することを目的とするものであるとして無効になるかどうかは、法律行為がされた時点の公序に照らして判断します(最判平15・4・18)。

また、法令に違反しているからといって、直ちに法律行為が私法上無効になるとは限りません。弁護士法28条違反の債権譲渡についても、公序良俗に反する事情がない限り、直ちに私法上の効力が否定されるわけではないとされています。

まとめ

  • 公序良俗とは、「公の秩序又は善良の風俗」を意味します。
  • 公序良俗に反する法律行為は、民法90条により無効です。
  • 妾契約や、合理的理由のない男女別定年制などが公序良俗違反の例です。
  • 公序良俗違反かどうかは、法律行為がされた時点の公序に照らして判断します。
  • 法令違反だけで、直ちに法律行為が私法上無効になるわけではありません。