地上権とは、他人の土地を使って、建物などの工作物や竹木を所有するための権利です(民法265条)。地上権では、存続期間をどう決めるのか、地代は必要なのか、地主の承諾なしに譲渡できるのかが問題になります。ここでは、この3点を中心に解説します。
地上権とは?存続期間・地代・譲渡を理解するための基本
たとえば、E社がF所有の土地に倉庫を建てるため、Fとの契約によって地上権を設定するケースが考えられます。工作物には建物だけでなく、鉄塔や高架橋など、土地の地上・空中・地下に設置される施設も含まれます。
地上権は物権です。物権とは、特定の相手だけでなく、原則として誰に対しても主張できる権利をいいます。そのため、土地の所有者が変わっても、地上権者は新しい所有者に地上権を主張できます。
地上権の存続期間は自由に決められる
契約で期間を定める場合
地上権の存続期間には、法律上の最低期間や最長期間の制限がありません。当事者が契約で自由に定められます。
存続期間を定めなかった場合
期間を定めず、別段の慣習もない場合、地上権者はいつでも地上権を放棄できます。ただし、地代の定めがあるときは、1年前に放棄を予告するか、期限が来ていない1年分の地代を支払う必要があります。このルールは、存続期間を定めていない場合に限られます。
たとえば、Gが店舗建築のために地上権を取得したものの、契約書に期間の記載がなかったとします。地代を支払う契約であれば、Gがすぐに放棄するには、1年前の予告または1年分の地代の支払いが必要です。
地上権者がこの規定により権利を放棄しない場合は、当事者の請求により、裁判所が存続期間を定めることがあります。裁判所は、工作物や竹木の種類・状況など、地上権を設定した当時の事情を考慮し、20年以上50年以下の範囲で期間を定めます(民法268条)。
地上権の地代は必ず支払うのか
地上権の設定契約で、地代を定めるかどうかは当事者の自由です。したがって、地代の定めがなければ、地上権であることだけを理由に地代が発生するわけではありません。
一方、契約で地代を定めた場合は、その契約に従って支払う必要があります。地代を定める場合には、永小作権や賃借権の規定が準用されます(民法266条)。つまり、地代は必ず発生するものではないが、合意した場合には支払い義務が生じると整理できます。
地上権は地主の承諾なしに譲渡できる
地上権者は、地主の承諾を得なくても地上権を他人に譲渡できます。また、地上権を他人に賃貸したり、地上権を目的として抵当権を設定したりすることもできます。
