寄託物の返還請求はいつできる?返還時期の定めがある場合とない場合を解説

寄託物の返還請求は、契約で返還時期を決めているかどうかにかかわらず、寄託者からはいつでもできます。ただし、返還時期の定めがある場合に期限より前の返還を求めると、受寄者に生じた損害について賠償を求められる可能性があります。

一方、寄託者がいつでも返還を求められることと、受寄者が自分の判断でいつでも返還できることは別です。以下、返還時期の定めの有無ごとに整理します。

寄託物の返還請求は、返還時期にかかわらずいつでもできる

民法上、寄託者は、返還時期を契約で定めている場合でも、定めていない場合でも、受寄者に対して寄託物の返還を請求できます。

そのため、契約書に「一定期間保管する」と書かれていても、寄託者がその期間の終了まで返還請求をできないわけではありません。

返還時期の定めがある場合

寄託者は期限前でも返還請求できる

民法662条により、返還時期を定めた寄託であっても、寄託者はいつでも返還を請求できます。

ただし、寄託者が契約上の期限より前に返還を求めたことで受寄者に損害が発生した場合、受寄者はその損害の賠償を寄託者に請求できます。つまり、期限前の返還請求自体が禁止されるのではなく、早期請求による損害が問題になります。

受寄者は、原則として期限前に返還できない

返還時期の定めがあるとき、受寄者は、やむを得ない事由がなければ、期限前に寄託物を返還できません。寄託者の返還請求がいつでも可能であることとは異なる点に注意が必要です。

当事者 返還時期の定めがある場合
寄託者 いつでも返還請求できる
受寄者 やむを得ない事由がなければ期限前に返還できない

返還時期の定めがない場合

民法663条により、返還時期を決めていない場合は、寄託者がいつでも返還を請求できるだけでなく、受寄者もいつでも寄託物を返還できます。

当事者 返還時期の定めがない場合
寄託者 いつでも返還請求できる
受寄者 いつでも返還できる

まとめ

寄託物の返還請求は、返還時期の定めがある場合でもない場合でも、寄託者からはいつでもできます。

ただし、返還時期の定めがある場合に期限前の返還を請求し、受寄者に損害が生じると、受寄者から損害賠償を請求される可能性があります。また、受寄者は、やむを得ない事由がなければ期限前に返還できません。返還時期の定めがない場合は、寄託者はいつでも返還を請求でき、受寄者もいつでも返還できます。