副知事や監査委員などの主要公務員は、住民による解職請求の対象となることがあります。ただし、議員や首長の解職請求とは手続が異なり、住民投票ではなく、議会の議決によって解職の可否が決まります。
主要公務員の解職請求とは
解職請求の対象となる公務員
地方自治法上、解職請求の対象となる主要公務員には、次の者が含まれます。
- 副知事
- 副市町村長
- 指定都市の総合区長
- 選挙管理委員
- 監査委員
- 公安委員会の委員
たとえば、副知事や監査委員について職を続けさせることが適当でないと考える住民は、法律上の要件を満たせば解職を請求できます。
解職請求に必要な署名数
請求できるのは、その地方公共団体の選挙権を有する者です。請求には、選挙権を有する者の総数の原則として3分の1以上の連署が必要です。連署とは、請求に賛成する住民が署名することをいいます。
請求代表者は、必要な署名を集めたうえで、普通地方公共団体の長に対して解職を請求します。
なお、選挙権を有する者の総数が40万人を超える場合には、署名数を緩和する特例があります。総数が40万人を超え80万人以下の場合は、40万人を超える数に6分の1を乗じて得た数と、40万人に3分の1を乗じて得た数を合算します。総数が80万人を超える場合は、80万人を超える数に8分の1を乗じて得た数、40万人に6分の1を乗じて得た数、40万人に3分の1を乗じて得た数を合算します。
解職請求が制限される期間
解職請求には期間制限があります。副知事、副市町村長、指定都市の総合区長については、就職の日および請求に基づく議決の日から1年間、請求できません。
選挙管理委員、監査委員、公安委員会の委員については、同じ期間が6か月間です。
主要公務員の解職請求から議会の議決までの手続
住民が解職請求をする
- 選挙権を有する者が、必要数の署名を集める
- 請求代表者が、普通地方公共団体の長に解職を請求する
長が請求の要旨を公表し、議会に付議する
長は、請求を受けると、その要旨を公表します。その後、請求を議会に付議します。付議とは、議会で審議・議決できるよう議題として提出することです。
議会で解職の議決をする
主要公務員を解職するには、次の両方を満たす必要があります。
- 議員の3分の2以上が出席していること
- 出席議員の4分の3以上が解職に同意すること
この特別多数の議決が成立すると、対象となった副知事や監査委員などは職を失います。
議員・首長の解職請求との違い
議員や首長の解職請求は、選挙管理委員会に対して行い、その後、選挙人の投票に付されます。投票で過半数の同意が得られると失職します。
これに対し、主要公務員の解職請求は普通地方公共団体の長に行います。住民投票は実施されず、議員の3分の2以上の出席と、出席議員の4分の3以上の同意という、議会の特別多数による議決が必要です。
まとめ
- 副知事、監査委員などの主要公務員は、住民の解職請求の対象となる
- 請求には、選挙権を有する者の総数の原則3分の1以上の連署が必要
- 請求先は普通地方公共団体の長で、長が要旨を公表して議会に付議する
- 解職には、議員の3分の2以上の出席と、出席議員の4分の3以上の同意が必要
- 必要な議決が成立すると、対象となった主要公務員は職を失う
