地方議会の定足数と表決数とは?過半数・特別多数決のルールを解説

地方議会で議案を決するには、一定数の議員が出席していることと、必要な賛成を得ることが必要です。出席者数の基準が定足数、賛成者数の基準が表決数です。

原則は、議員定数の半数以上が出席し、出席議員の過半数で決します。ただし、除名や不信任など重要な議決では、3分の2以上の出席や、4分の3以上の賛成が必要になる場合があります。

地方議会の「定足数」と「表決数」とは

定足数は議会を開き、議決するために必要な出席者数

定足数とは、議会が会議を開いて議決するために必要な議員の出席数です。地方議会では、地方自治法113条により、原則として議員定数の半数以上の出席が必要です。

基準となるのは、その時点で出席している人数ではなく、条例で定められた議員定数です。

表決数は議案を決するために必要な賛成数

表決数は、議案を決するために必要な賛成数をいいます。地方自治法116条1項の原則では、出席議員の過半数で決定します。

つまり、定足数は議員定数を基準にし、表決数は実際に出席している議員数を基準にする点が重要です。

地方議会の定足数と表決数の原則

原則は「議員定数の半数以上の出席」

地方自治法113条により、議員定数の半数以上が出席しなければ、議会は議決できません。まず定足数を満たしているかを確認し、その後に議案の表決を行います。

原則は「出席議員の過半数」で決定

出席議員の過半数で、議案を決します。過半数は、出席議員の半数を超える人数を意味します。

可否同数の場合は議長が決する

賛成と反対が同数になったときは、議長が決定します。この場合、議長は議員として通常の表決に加わることはできません。通常の過半数による議決と、可否同数時に議長が決する仕組みは分けて考える必要があります。

定足数・表決数の特別なルール

重要な議決では、通常より厳しい出席要件や賛成要件が定められています。

定足数が「議員定数の3分の2以上」となる場合

  • 住民の直接請求による主要公務員の解職の議決(地方自治法87条1項)
  • 議員の除名の議決(同法135条3項)
  • 長の不信任の議決(同法178条3項)

表決数が「出席議員の3分の2以上」となる場合

  • 地方公共団体の事務所の位置を定める条例の制定・改廃(同法4条3項)
  • 秘密会を開く議決(同法115条1項ただし書)
  • 議員の資格喪失の決定(同法127条1項)
  • 一般的拒否権による再議に付された条例の制定若しくは改廃又は予算に関する議決についての再議決(同法176条3項)
  • 条例で定める特に重要な公の施設の廃止・長期独占利用の同意(同法244条の2第2項)

表決数が「出席議員の4分の3以上」となる場合

  • 住民の直接請求による主要公務員の解職の議決(地方自治法87条1項)
  • 議員の除名処分の決定(同法135条3項)
  • 最初の長の不信任の議決(同法178条3項)

定足数と表決数は別々に確認する

定足数は「何人が出席していなければならないか」、表決数は「出席者のうち何人が賛成しなければならないか」という違いがあります。特別な議決では、両方に例外が設けられることがあるため、議案ごとに確認することが大切です。

まとめ

  • 定足数は、議決に必要な出席議員数です。
  • 表決数は、議案を決するために必要な賛成数です。
  • 原則は、議員定数の半数以上が出席し、出席議員の過半数で決します。
  • 可否同数の場合は議長が決しますが、議長は通常の表決には加わりません。
  • 重要な議決では、3分の2以上の出席・賛成や、4分の3以上の賛成が必要になる場合があります。