養子縁組の離縁とは?協議・死後離縁・裁判上の離縁を解説

養子縁組の離縁とは、養子縁組によって生じた養親子関係を、将来に向かって解消することです。縁組をした時点までさかのぼって、関係をなかったことにする制度ではありません。

通常の養子縁組における離縁には、当事者の合意による「協議上の離縁」、養親または養子の死亡後に行う「死後離縁」、合意できない場合などに利用する「裁判上の離縁」があります。それぞれ要件や手続が異なります。

養子縁組の離縁とは?成立すると何が変わるのか

離縁の意味

離縁が成立すると、養子と養親との法律上の親子関係が終了します。あくまで離縁の日以後に向かって効力が生じるため、縁組中に生じた関係を過去にさかのぼって消すものではありません。

離縁の効果

離縁後は、養子およびその配偶者、養子の直系卑属およびその配偶者と、養親およびその血族との親族関係が終了します。

氏については、養子は原則として、養子縁組をする前の氏に戻ります。

協議による離縁の要件

当事者の協議で離縁できる場合

養親と養子は、話し合いによって離縁できます。ただし、養子が15歳未満の場合は、養親と、離縁後に養子の法定代理人となるべき者が協議して行います。

養親が夫婦で未成年者と離縁する場合

養親が夫婦であり、未成年者と離縁する場合は、原則として夫婦の双方が離縁に関与しなければなりません。ただし、夫婦の一方が離縁の意思を表示できない場合は、この限りではありません。

死後離縁と裁判上の離縁

死後離縁

養親または養子が死亡した後、生存している当事者が離縁を希望することがあります。この場合は、家庭裁判所の許可を得て離縁します。

裁判上の離縁が認められる事情

次の事情があるときは、当事者の一方が離縁の訴えを提起できます。

  • 相手方から悪意で遺棄されたとき
  • 相手方の生死が3年以上明らかでないとき
  • その他、縁組を続けることが難しい重大な事由があるとき

もっとも、悪意の遺棄または3年以上の生死不明がある場合でも、裁判所が一切の事情を考慮し、縁組を続けるのが相当と認めれば、離縁請求が棄却されることがあります。

特別養子縁組の離縁

特別養子縁組の離縁は、通常の養子縁組とは異なり、養親による虐待や悪意の遺棄など養子の利益を著しく害する事由があり、かつ、実父母が相当の監護をできる場合に限られます。養子の利益のため特に必要があると認められるときに、養子、実父母または検察官の請求により、家庭裁判所が離縁させることができます。

まとめ

通常の養子縁組における離縁は、養親子関係を将来に向かって解消する制度です。合意があれば協議上の離縁ができ、一方が死亡した後は家庭裁判所の許可による死後離縁を利用します。合意できない場合も、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、その他の重大な事情があれば、裁判上の離縁を請求できます。離縁後は、原則として養子の氏が縁組前に戻り、養親側との親族関係が終了します。特別養子縁組の離縁には、通常の養子縁組とは異なる厳格な要件があります。