地方議員の解職請求とは?リコールの要件と手続を解説

地方議員の解職請求とは、一定数の選挙権を有する者が連署し、地方議会議員を職から退かせるよう求める制度です。一般に「議員のリコール」と呼ばれます。ただし、署名を集めただけで議員が直ちに失職するわけではありません。選挙管理委員会への請求と選挙人の投票を経て、過半数の同意があった場合に失職します。

地方議員の解職請求とは

住民による議員のリコール制度

地方自治法80条に定められた直接請求制度の一つです。議員が所属する選挙区において選挙権を有する者が、その議員を職から退かせるよう求めます。選挙区が設けられていない場合は、その地方公共団体全体の選挙人が投票などの対象になります。

議会そのものを解散させる請求や、知事・市区町村長を辞めさせる解職請求とは、対象者と制度が異なります。

解職請求をできる人

請求できるのは、対象議員の所属する選挙区について選挙権を有する者です。選挙区がない場合は、地方公共団体の選挙権を有する者が対象となります。直接請求権は選挙権を有する者に認められるため、日本国民に限られ、外国人は解職請求をすることができません。

議員の解職請求に必要な要件

必要な署名数

原則として、対象選挙区の選挙権を有する者の総数の3分の1以上の連署が必要です。選挙区がないときは、地方公共団体全体の選挙人の総数を基準にします。署名を集めた請求代表者が、選挙管理委員会に解職を請求します。

有権者数が多い場合の緩和

選挙権を有する者の総数が40万人を超える場合は、必要な署名数が緩和されます。

  • 40万人超80万人以下:「40万人の3分の1」+「40万人を超える数の6分の1」
  • 80万人超:「40万人の3分の1」+「40万人を超え80万人以下の数の6分の1」+「80万人を超える数の8分の1」

解職請求が制限される期間

無投票当選以外で当選して就職した議員については、就職した日から1年間、解職請求をすることができません。また、解職請求に基づく投票が行われた日から1年間も、解職請求をすることができません。

議員の解職請求の手続と失職までの流れ

  1. 選挙管理委員会に請求する
    必要な署名を集めた請求代表者が、普通地方公共団体の選挙管理委員会に解職を請求します(地方自治法80条1項)。
  2. 投票に付される
    選挙管理委員会は請求の要旨を公表し、対象選挙区の選挙人による投票に付します。選挙区がない場合は、地方公共団体全体の選挙人が投票します。
  3. 過半数の同意で失職する
    投票で解職に対する過半数の同意があれば、議員は失職します(地方自治法83条)。つまり、署名は投票を実施するための要件であり、署名だけで失職するわけではありません。

まとめ

地方議員の解職請求は、原則として対象選挙区の選挙権を有する者の3分の1以上の連署により、議員の解職を求める制度です。請求先は選挙管理委員会で、その後に選挙人の投票が行われます。投票で過半数の同意があった場合に、議員は失職します。ただし、無投票当選以外で当選して就職した日や、解職請求に基づく投票が行われた日から1年間は、解職請求をすることができません。