地方公共団体ごとに条例の内容が異なると、「同じ国民なのに、住んでいる地域によって扱いが違うのは憲法14条の法の下の平等に反しないのか」と疑問に思うことがあります。
結論として、条例によって地域差が生じることだけを理由に、直ちに違憲となるわけではありません。憲法は地方公共団体に条例制定権を認めており、地域によって差が生じることを予定しているからです。
法の下の平等と条例制定権の関係
法の下の平等は「不合理な差別」を禁止する
憲法14条1項が保障する法の下の平等は、すべての人を常に同じように扱うという意味ではありません。性別、年齢、能力、財産、職業などの事実上の違いを前提とした合理的な区別は認められます。
一方で、合理的な理由のない差別的な取扱いは禁止されます。14条に挙げられている人種、信条、性別、社会的身分、門地などは例示であり、これらに限って平等が保障されるわけではありません。
地方公共団体には条例を制定する権限がある
憲法94条後段は、地方公共団体が「法律の範囲内で」条例を制定できると定めています。そのため、地方公共団体ごとに条例の内容が異なることがあります。
条例による地域差は、地域差だけを理由に違憲とはならない
最高裁判所の考え方
最高裁判所は、憲法が各地方公共団体の条例制定権を認めている以上、地域によって差が生じることは当然に予期されていると判断しました。
そのため、地方公共団体が条例を制定した結果、取扱いに差が生じても、地域差があることだけを理由に憲法14条違反とはいえません。
条例による地域差を判断するときのポイント
条例が法律の範囲内で制定されているか
条例制定権があるからといって、地方公共団体が法律に反するルールを自由に定められるわけではありません。まず、条例の内容が法律の範囲内にあるかを確認する必要があります。
差別に合理的な理由があるか
地域による取扱いの違いがある場合でも、地域差が生じることだけで直ちに違憲となるわけではありません。法の下の平等との関係では、合理的な理由のない差別的な取扱いであるかが問題となります。
